運動速度調整力とは

どうもM2です。

スポーツにおいて、もっとも重要な運動能力といってもよい「速く動く」ということ。これは、陸上や水泳などタイムを競うものや、長く・遠くといった記録で勝負する競技では速く動くことそのものが結果となるでしょう。

そして、この速く動くということは、体の一部分のみを強調して動かすことも多くあります。

例えば野球のキャッチャーが盗塁を阻止する場合に、座ったまま2塁へ送球するなら、腕を強調して速く振ります。サッカーでボールを強く蹴るときは、蹴りだす足は速く振りますが軸足は地面でしっかり止まっています。

このように、体の全体、または一部を速く動かせる運動能力はほぼ全てのにとスポーツにとって重要です。

卓球も当然、強いボールを打ち込むことで得点を取る確率が上がるため、体を速く動かすことは競技者なら必ず何らかの形で強化しています。

しかし、指導者の立場に立つと、この速く動くことだけができれば良いわけでは無いことに気づかされます。

そうです。体を「遅く動かす」こともとても重要な運動能力なのです。

しかも、試合をしている最中でも、卓球ではこの遅く動くことが必要です。

卓球経験の短い指導者の方にはピンとこないかもしれませんが、競技として長く卓球を続けてこられた方は「ブロック」を思いつくのではないでしょうか。そうです正解です。

相手からのスマッシュやドライブ(前進回転が強くかかっている)を打ち返すときに、こちらも強くラケットを振ると当たる確率が減り、当たってもオーバーミスが多くなるため、ラケットの動きを止め振らずに返球します。

これがブロックです。

他の競技でも、例えばバレーボールで相手がスパイクを打ってくるのに、そのボールをスパイクしにいくオリンピック選手を見ますか?

プロ野球で「バントしろ」と指示がでていて、「よし、分かった」と思ってたのにフルスイングして三振。記者会見で「気が付いたらフルスイングしていました」。ないですよね。

これは、本人が「遅く動かす」ことを体に指令をだし、実際にその通りに体が動いているのです。

スポーツにおいて、特に対戦相手がいる球技では、「速く動くこと」と同じくらい「遅く動くこと」も重要となります。

これを本人の意思で、体のどの場所を、どの場面で、どのくらいの速度にして動かすのかを、正確に実行できることが、

運動速度調整能力です。

これができない方は多くいます。いや、スポーツ経験の少ない方の殆どが、「やりたくてもできない」と感じるのではないかと思います。

指導者は言います。「速く・強く動かすんですよ」と。

そして受講者は思うのです。「その通りできれば苦労しないわい」と。

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